psychology column

受動攻撃性を理解する
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一番下に、「受動攻撃性を理解する」の動画を貼っておきました。
合わせてご覧くださいね。

「何かされたわけじゃない。
でも、なぜかすごくイライラする」

人間関係の中で、こんなふうに感じることってあるんじゃないでしょうか。

はっきり怒鳴られたわけでもない。
面と向かって否定されたわけでもない。
なのに、じわじわ傷つく。腹が立つ。悲しくなる。

そういうとき、背景にあるのが 受動攻撃性 かもしれません。

受動攻撃性とは、怒りや不満を直接言葉で表さず、遠回しな行動や態度で相手に伝えるあり方のことです。

たとえば、頼みごとに「わかった」と言ったのにやらない。
何度聞いても「忘れてた」と返される。
話しかけても無視される。
皮肉を言われる。
はっきり断らず、曖昧な返事で相手を振り回す。

こうした行動って、一つひとつだけ見ると「大したことない」と片づけられやすいんですよね。

でも、受け取る側は違います。
何度も繰り返されるうちに、

「大切にされていない気がする」
「私が悪いのかなと思ってしまう」
「でも、何に怒っていいのかもわからない」

そんな、説明しにくいしんどさがたまっていくんです。

受動攻撃性は、なぜわかりにくいのか

受動攻撃性のやっかいなところは、相手が 「怒っていません」 「そんなつもりはありません」 という顔をしやすいことなんです。

たとえば、のろのろ家事をして相手をイライラさせても、本人は「頑張ってるのに」と言える。
話を逸らして大事な会話を避けても、「たまたま思い出しただけ」と言える。
皮肉を言っても、「冗談じゃない」とごまかせる。

だから受け取る側は、自分の感じた違和感をうまく言葉にできなくなってしまうんですよね。

受動攻撃性にさらされると、人は「相手が悪いのか、自分が気にしすぎなのか」がわからなくなりやすいんです。

この混乱こそが、しんどさの正体なんじゃないかなと思います。

直接怒れない人が、遠回しに怒っている

では、なぜこんなまわりくどい表現になるのでしょうか。

その背景には、 怒りを直接出してはいけない という無意識のルールがあることが少なくありません。

子どもの頃、怒りを出すと責められた。
不満を言うと嫌われた。
家の中で、率直なコミュニケーションが許されなかった。

そういう環境で育つと、本人も自分の怒りをまっすぐ扱えなくなることがあるんです。

すると、怒っていないふりをしながら、態度や遅延や皮肉という形で感情が漏れてくる。
つまり受動攻撃性というのは、 言葉になれなかった怒り とも言えるんですよね。

家庭から受け継がれることもある

こうしたコミュニケーションの癖は、育った家庭の影響を受けていることもあります。

親が曖昧な返事ばかりしていた。
皮肉でしか気持ちを表せなかった。
大事なことはいつも避けられていた。

そんなやりとりを見て育つと、それが「普通の関わり方」になってしまうことがあるんですね。

本人に悪気がない場合もあります。
でも、悪気がないことと、相手を傷つけていないことは別なんです。

受け手は、ただ耐えればいいわけではない

ここで大事なのは、 「相手にも事情があるのね」 で終わらせないことなんです。

受動攻撃性の背景に怒りやストレスがあるとしても、それによって相手を困らせたり傷つけたりしていいわけではありません。

だからこそ必要なのは、我慢ではなく 見える化 なんだと思います。

たとえば、こんなふうに伝えることです。

「頼んだことをやってもらえないと、私は軽く扱われたように感じる」

「皮肉を言われると、傷つくし話しにくくなる」

「はっきり言ってもらえないと、私はすごく混乱する」

責めるためではなく、何が起きているかを具体的に言葉にする。
これはとても大事なことだと思うんです。

その奥にあるものを理解しようとする

そしてもう一つ大事なのは、相手の背後にあるものを見ることです。

受動攻撃的な人は、実はかなり怒っていたり、傷ついていたり、追い詰められていたりすることがあります。
ただ、それをまっすぐ言えないだけなんです。

だから、 「最近、何かストレスがたまってる?」
「何か言えずに飲み込んでることがある?」
そんなふうに、背景にある感情へアクセスしていく姿勢も、関係改善には役立つかもしれません。

もちろん、相手がこちらの言葉を受け取る準備がないこともあります。
そのときは、無理に一人で抱え込まず、距離を取り直したり、必要なら専門家の力を借りることも大切です。

受動攻撃性を理解することは、自分を守ることでもある

受動攻撃性を知ると、 「私が怒りっぽいのかな」 「気にしすぎなのかな」 と思っていたことに、別の見方が生まれます。

何もされていないようでいて、実はちゃんと傷つけられていた。
その違和感は、間違っていなかった。

そうやって理解できるだけでも、自分を責めるループから少し抜けやすくなるんですよね。

おわりに

人は、直接言えない怒りを、遠回しな形で表すことがあります。
でも、それを受け取る側のしんどさは、決して小さなものではありません。

だからこそ、ただ我慢するのではなく、何が起きているのかを理解し、言葉にしていくこと。
そして必要なら、相手の背景にある苦しさにも目を向けていくこと。

受動攻撃性を理解することは、相手を甘やかすためではなく、自分の感覚を信じて、人間関係を少しずつ健全なものにしていくための第一歩なんじゃないかなと思います。



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