最初の三角関係
~エディプス・エレクトラコンプレックス~
私たちの恋愛って、どこから始まっているんだろう。
そう考えたとき、実はとても意外な場所に行き着くんです。
それは…幼い頃の親子関係です。
もっと言うと、最初に経験した三角関係なんです。
子どもにとって、親は世界そのものです。
その中で、異性の親を「特別な存在」として感じる時期があるんですね。
たとえば、女の子にとってのお父さん。
男の子にとってのお母さん。
「大好き」
「一番でいたい」
「自分を見てほしい」
そんな気持ちが、ごく自然に芽生えていきます。
でも、そこにはもうひとりいるんです。同性の親が。
お母さんとお父さん。
お父さんとお母さん。
その関係の中で、子どもは無意識にこう感じることがあるんですね。
「私は選ばれるんだろうか」
「あの人に勝てるんだろうか」
これが、フロイトやユングが語ったエディプス・エレクトラコンプレックスの土台になる考え方です。
勝者と敗者の感覚は、心の中で作られる
もちろん、実際に勝ち負けがあるわけではありません。
でも子どもの心は、とても主観的です。
親のちょっとした態度や、家庭の空気の中で、
「お父さんはお母さんを選んだ」
「お母さんはお父さんの方を大事にしていた」
そんなふうに感じることがあります。
すると、子どもの中ではひとつの結論が生まれるんですね。
私は勝ったのかもしれない
あるいは、私は負けたのかもしれない
ここでできあがるのが、無意識の「勝者」「敗者」というパターンなんです。
勝者のパターン
自分は選ばれた、と感じた人は、大人になってからもどこかで
「私は愛される存在」
「でも、その幸せは誰かから奪ったものかもしれない」
という感覚を持ちやすいんです。
すると、愛されることそのものが不安になります。
幸せになりたいのに、どこかでブレーキがかかる。
手に入った途端に、失う怖さが出てくる。
その結果、不倫のような罪悪感を伴う恋愛や、安心しきれない関係に引き寄せられてしまうこともあるんですね。
敗者のパターン
一方で、自分は負けた、と感じた人は、
「私は選ばれない」
「どうせ一番にはなれない」
という前提を持ちやすくなります。
だから、本当は苦しいのに、最初から二番手の場所に自分を置いてしまうことがあるんです。
既婚者を好きになってしまったり、手に入らない人にばかり惹かれたり。
あるいは、ちゃんと愛してくれる人が現れても、なぜか落ち着かない。
これもまた、過去の体験から作られた「心のクセ」なんですよね。
大事なのは、良い悪いではなく「習慣」だと見ること
ここで大事なのは、勝者が悪いとか、敗者がダメだとか、そういう話ではないということです。
どちらも、子どもの頃にそう感じた。
そして、その感覚をそのまま大人になっても持ち続けている。
ただ、それだけなんです。
つまり、これは性格の良し悪しではなく、
繰り返してきた心の習慣として見ることができるんですね。
思い込みは、気づいたところから修正できる
私たちは大人になった今、その思い込みを見直すことができます。
あのとき本当に、私は負けたんだろうか。
あのとき本当に、誰かから愛を奪ったんだろうか。
もしかしたら、子どもの目にはそう見えただけで、現実はもっと複雑だったのかもしれません。
そして何より、今の自分の価値は、あの頃の親子関係で決まるものではないんです。
恋愛で同じパターンを繰り返してしまうとき、私たちはつい相手の問題だけを見がちです。
でも本当は、
「私は自分をどんな立場に置いているんだろう」
「私は無意識に、勝者か敗者かを演じていないだろうか」
そうやって自分の内側を見ていくことが、とても大事なんだと思うんです。
過去はルーツ。でも、未来を決めるものではない
最初の三角関係は、たしかに私たちの心に影響を与えます。
でも、それは運命ではないんですよね。
気づけば、変えられる。
自覚できれば、選び直せる。
そして、
「私はもうこのパターンを繰り返さなくていい」
そう思えたとき、そこから新しい関係が始まっていくんだと思います。
おわりに
恋愛の中で感じる苦しさには、今この瞬間の出来事だけではなく、もっと昔の記憶や感覚が重なっていることがあります。
だからこそ、自分を責めるのではなく、「私はこういう心のクセを持っていたのかもしれない」と見てあげること。
そこから、関係の選び方は少しずつ変わっていくんじゃないかなと思うんです。
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