こころの見え方
クールに見えるあの人の中で、
膨大な感情がうごめいている
長いこと、私は「自分には感情がないんじゃないか」と思っていたんです。
何かが起きても、あまり動じない。
嬉しいことがあっても、大きくはしゃぐわけでもないし、
悲しいことがあっても、涙が出るほどでもない。
どこかいつも平らな感じがしていて、
それがずっとコンプレックスでもありました。
カウンセリングを学ぶようになって、
「感情に触れることが大事」と言われるたびに、
その感情が、よくわからないんですけど。
そんなふうに、どこか置いていかれるような感覚があったんですね。
振り返ってみると、私の親は、あまり感情を表に出す人ではありませんでした。
怒ることも、
大きく喜ぶことも、
悲しんで泣くことも、
記憶をたどっても、あまり出てこないんです。
だから私は、
「感情ってどう扱うものなのか」
「そもそもどう感じるものなのか」
それを知らないまま大人になったんじゃないかな、
そんなふうに思っていたんです。
ふと腑に落ちたこと
そんなときに、ある話を聞きました。
ノイズキャンセリングイヤホンの仕組みの話です。
音を消しているように見えて、実はそうではない。
外の音を拾って、
それと真逆の音をぶつけて、
結果としてゼロにしている。
つまり、あの静けさの中では、
音が「ない」のではなくて、
ものすごい量の音が、同時にぶつかり合っている。
外から入ってきた音に対して、逆位相の音を瞬時に作り出して重ねることで、結果として「静か」に感じられる。
表面上は無音のようでも、その裏側では、たくさんの音がせめぎ合っている。
私はこの仕組みを聞いたとき、人の感情にも少し似たところがあるんじゃないかな、と思ったんです。
「感情がない」のではなくて、
「感じすぎているから、打ち消している」だけなんじゃないかって。
ゼロに見えるということは、
何もないということではなくて、
プラスとマイナスが、ちょうど釣り合っている状態。
今まで「何も感じていない」と思っていた自分の中にも、
実はものすごくたくさんの感情が動いていて、
ただそれが外に出てこなかっただけなのかもしれない。
何があっても動じない人。
いつも落ち着いていて、クールで、
何を考えているのかわからない人。
その静けさは、もしかしたら、
たくさんのものが混在していて、プラスマイナスを合わせてお世話になるように、ストレートに感情出せる人より倍かそれ以上の感情をかぶせて無音にしているノイズキャンセラーのイヤホンのように、いろんなものが、そんな人の中でざわめいている状態なのかもしれません。
人は表面に見えている状態だけではなく心の奥底に、いろんなものを抱えてそれはそれは一生懸命今を生きてるんだなぁと思いました。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。
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