世の中には、「まず自分の人」という親がいます。
ここで少し、補足しておきたいんですが…
最近はよく、
「自分を大切にしていい」
「自分らしく生きていい」
と言われるようになりましたよね。
それ自体は、とても大切なことだと思うんです。
ただ、ここで言っている「まず自分の人」というのは、そういう意味での“自分を大切にする人”とは少し違うんですね。
自分を大切にする人は、
自分の感覚や気持ちを大事にしながら、
同時に相手の存在もちゃんと見ています。
でも「まず自分の人」というのは、
自分が正しいこと、
自分が認められること、
自分がどう見られるか、
それが何よりも優先されてしまう人のことなんです。
言い換えるなら、自己肯定と自己中心は、似ているようで少し違います。
自己肯定は、自分も相手も大事にできること。
自己中心は、自分を守ることが最優先になって、相手の心が後ろに回ってしまうこと。
相手の気持ちは、見えていないわけではないのかもしれません。
でも、優先順位としては後ろになってしまう。
だから子どもからすると、自分の心は、なかなか見てもらえないと感じてしまうんですね。
家のことはちゃんとしている。
外ではきちんとしていて、周りからも一目置かれている。
むしろ立派な人だと思われていることも多いかもしれません。
でも、その人の関心は、あまり子どもの心には向いていないことの方が多いんです。
自分が正しい。
自分が素晴らしい。
自分が認められることが最優先。
子どもがどう感じているかよりも、
「自分がどう見られているか」の方が大事な人なのかもしれません。
こういう親のもとで育つと、子どもはあることを学びます。
だから、合わせるしかない。
子どもにとって親は、生存に直結している存在です。
だから合わせることを選んだのは、その状況の中でのとても賢い判断だったんです。
ただ、その学びは体に残ります。
大人になっても、ふと気づくと…
気づいたら、人の下に入っている。
自分の感覚より、相手の判断を優先している。
何かを決めるときも、
「これでいいのかな」
と、自分の中ではなく、
誰かの反応を見て確認しようとしてしまう。
そして、どこかでずっと確かめ続けているんです。
私は、誰かの役に立てているだろうか。
私は、これで大丈夫だろうか。
これは、子どもの頃に覚えた生存戦略が、大人になっても動き続けているからだと思うんです。
しかも「まず自分の人」の親というのは、子どもがどれだけ頑張っても満足しないことが多くて…
「私頑張ったよね?」と確認しても反応がない。
反応がないから、また頑張る。
そんなループに、気づかないまま入っていることがあります。
そうして大人になった時、心の奥からこんな気持ちが出てくることもあるかもしれません。
なんであの人は、ああだったんだろう。
どうして私の気持ちを見てくれなかったんだろう。
あの時、もっと違う関わり方をしてくれていたら、
私は違う人生を歩んでいたんじゃないか。
そんな思いが出てくるのは、とても自然なことだと思うんです。
その気持ちは本物です。
無理に否定しなくていいと思います。
ただ、その恨みの中にずっと留まり続けると、その物語の中に自分自身が閉じ込められてしまうことがあります。
欲しくなかった人生を、ただ抱えたまま生きていくことになってしまいます。
強そうに見えて、ずっと自分を守っている人
ここで一つ、逆説的なことをお伝えしたいんです。
「まず自分の人」の親というのは、実はとても防御の強い人であることが多いというお話しです。
人を認められないのは、本当は自分自身を認められていないから。
だから、その不安を隠すために
「私は正しい」
「私は素晴らしい」
と、強く出てしまうのではないでしょうか?
つまり、強そうに見えて、実はずっと自分を守り続けている人なんですね。
その中で育ったあなたに、育っている力
そして、その環境の中で育った子どもはどうなるか?と言いますと、
親が自分中心で動く人だと、子どもは自然とこういう力を身につけていきます。
空気を読む。
人の感情を察する。
相手の本音を感じ取る。
これはただ我慢してきたというだけではないんですね。
人を観察する力や、繊細な感受性が育っていることも多いと思うんです。
そして不思議なことに、そういう人の言葉は、なぜか人の心に深く届くものなんです。
導かれてこなかったから、上から教えるスタイルが身についていない事で、得られるものがあると思います。
認められてこなかったからこそ、認めるという価値を持って、相手をそのまま認めることができるのかもしれません。
答えを与えてもらえなかったから、相手が自分の中から答えを出すのを待つことができるのではないでしょうか。
欲しくなかった経験が、そのままその人の関わり方になっていくのではないでしょうか。
そしてそれが、誰かにとっての光になることがあるんです。
静かな違和感は、ワンランクアップのサイン
ただ、その過程ではもう一つ大事なことが起きます。
ある日ふと、気づく瞬間が来るんです。
「この人といると、なんだか疲れるな」
怒りというより、ただそう感じる。
それはワンランクアップしたあなたのサインかも?という不思議なお話しをしますね。
以前だったら、そういう「なんとなく違和感がある」相手に対しても人の下に入って、苦しみながらも何とか仲良くすることをよしとしてきたんじゃないかなと思うんです。
ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。
「まず自分の人」の親のもとで育った人は、どこかで親と似たようなタイプの人を引き寄せてしまうことがあります。
それはあなたのせいではないんですよ。
その関係が、あなたにとって「慣れていて、ある意味心地よい」ものだからかもしれません。
だからこそ、その「なんとなく違和感、疲れる」人に気づいた時に「少し距離を取ろう」と思えること、思えた事が大切なんです。
切り捨てなくていい。ただ、少しだけ距離を取る。
その一歩が、あなたの新しい関係の始まりになるんじゃないかなと思うんです。
いいろいろ書きましたが、私が言いたかったことは…
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