一度“否定”しないと話が始められない人たち
私たちの周りには、ときどきこういう人がいます。
それは…
こちらが何か言えば、とりあえず「いや、それは…」と跳ね返す人です。
悪気はまったくないのに、気づけば“否定”から入ってしまう。そんな人です。
相手の話を否定したいわけでもなく、意地悪をしたいわけでもないにも関わらず、
ただ、その人のコミュニケーションの“癖”として、自然とそうなってしまうのではないか?という人がいます。
私自身、カウンセラーを目指すまだずっと前からの長い関わりの人との中でずっと不思議に感じている事がありました。
なぜか疲れる人。なぜか距離を置きたくなる人。心の状態がベストでないと話そうとは思えない….
その人はすごく可愛らしくて、ユーモアもあって、頭もいいのに…
でも、ある時気づいたのでした。
「なぜか私の言うことを、まず“否定”してからじゃないと会話に入ろうとしない」と。
こちらはフレンドリーに話したいのに、なぜかその人と話せば話すほど身構えてしまう。
「なぜだ?」と、いつも思っていました。そっか…と、私の中で結論が出た事がありました。
「この人、“否定のワンクッション”がないと安心できないんだ」
本人は否定したいわけではないとおもうんです。
ただそのコミュニケーション構造が“入口のクセ”として染み付いているんじゃないか?と…
そのエピソードから、『否定から』入るコミニュケーションに興味を持ったわたしです。
否定から入るのは“性格”ではなく、心理的な処理のクセ
では、なぜこうした否定のクセが生まれるのでしょうか?ここには4つの典型的な心理構造があると思うので挙げてみますね。
① 主導権の不安 〜まず“上”に立たないと安心できない心理〜
このタイプは、意見をすぐ肯定すると「従う側にまわる」と感じやすいように思います。
そうなると…無意識のうちに一度否定して主導権を確認するという手順が必要になります。
これへ、相手を支配したいのではなく、“安心の場所”を確保したいだけなのです。
② 境界線が薄い 〜相手の意見に賛成すると自分が揺らぐ心理〜
相手の意見=自分の否定、と感じてしまいやすいタイプです。
そのため、まず距離を取ろうとして「いや、でも…」が先に出ます。
実際には友達を作りにくいと悩むことも多い構造です。
③ 即時反応型 〜 考える前に跳ね返してしまう心理〜
これは脳の防衛反応です。
新しい情報が自分の安定を揺らすため、反射的に打ち返してしまいます。
深い悪意はありませんが、結果的に相手を疲れさせてしまいます。
④ 承認の逆転 〜先に“自分が評価したい”心理〜
人から先に肯定されるのが苦手なタイプです。
そんな人いる?って思いますよね?
相手から「いいね」と言われると、自分が相手の枠に入るように感じるため、
無意識に先に否定して自分の評価を通したいという反応が起こるタイプがいます。
否定が“安心材料”になっている人は、実は損をしている
本当は魅力的で、優しさもユーモアもあるのに、
否定からしか会話に入れないために、印象的に損をしてしまうその人との関わりの中で私が考えた『否定から入らないと不安』になるという心理…。
このタイプの人が与える違和感「この人、本当は可愛いのに…なぜかもう…話したくないなぁ…」という思いは、まさにここにつながります。
疲れちゃうんです。私の想いも言葉も一度跳ね返される、否定されると。
それも全部の会話…
こちら側が疲れずに関わる3つのコツ
① 意見より“事実”を渡す
意見は否定されやすいですが、事実は否定しづらい特性があります。② 主導権を奪わない伝え方をする
「あなたならどう思う?」という問いかけは、防衛反応を和らげます。③ “否定は安心材料なんだ”と理解しておく
これが一番ラクになります。
否定は攻撃ではなく、その人なりの安全確保の方法。
構造が見えた瞬間、こちらの心が揺れなくなるのです。
否定の下にはいつも“本当の気持ち”がある
人は、否定したくて否定しているのではありません。
その下には、主導権の不安、自信の揺らぎ、過去の影響など、さまざまな構造があります。
相手を責めなくてもいい。自分を責めなくてもいい。
ただそういう構造も、この世にはたしかに存在すると言うその視点を持った瞬間、人間関係の見え方は大きく変わっていかと思います。

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