今日は、無重力がテーマの物語です。
それも…心の無重力。
この物語を書くきっかけは、最近「アレキシサイミア」という言葉を知ったことからです。
アレキシサイミア(失感情症)を調べてみると、自分や他人の感情を認識したり、表現したりすることが難しい心理的な特徴を指すということらしく、ギリシャ語の「a(否定)」「lexis(言葉)」「thymos(感情)」に由来し、直訳すると「感情を言葉にできない」という意味だそうです。
う…ん。
自分の感情を掴むことが出来ないっていうこと?
あ、なんとなくわかる!この感覚!
と思ったのです。
私自身、広い宇宙の中で無重力状態に浮かんでいるような感覚を抱くことがあって、それに近いものなんじゃないか?って…。
私なりの解釈を通じて感情を感じないってことを表現出来ないかな?と思ったのです。
そこでまた、創作物語を作ってみました。
末尾に心理学的な考察を加えています。

私たちはこの宇宙船の乗組員、お互いを星の名前で呼び合う。
ここでは私は「LUNA」と呼ばれている。
隣には「MARS」が無重力の船内でぷかぷかと浮かんでいる。
「重力がないと、こうも自由になるんだな」とMARSがつぶやく。
私は、ふわふわと漂うMARSの体を見下ろしながら答える。
「そうだね。重さがないって、すごく楽。」
「そうね、重力が無いと楽…」その瞬間、胸の奥に言葉にできない感覚が広がった。
まるで、ずっと何かを抱えていたのに、それを失ったような不安定さ。
「でもさ、無重力って、私の心みたいだなって思うんだ」と私はつぶやいた。
MARSがこちらを振り返る。
「心?」
「うん。何かを感じてるはずなのに、それが何なのか、どこにあるのか、わからない。触れられないし、掴めない。心も、無重力の中にいるみたい。」
MARSは少し考え込んでから言った。
「それって、辛くないか?」
私は答えを探すように、言葉を選んだ。
「辛いのかどうかも、わからない。
昔からこうだったから、慣れてしまったんだと思う。
幼い頃、家ではいろんなことがあった。
でも、それにどう対処したらいいかわからなくて、気づいたら、何も感じなくなってた。」
「何も?」
「そう、何も。
悲しいとか、怖いとか、そういう感情をなかったことにしようとしてたのかもしれない。
そうすれば楽になると思ったんだと思う。
でも、それがずっと続いて、自分が何を感じてるのか、今では全然わからない。」
MARSは漆黒の宇宙が広がる窓の外を見つめた。
それで、重力の話か…。重さを感じなくなった心ってことだな。」
「うん。でもね、最近思うんだ。
もしかしたら、私たちが抱える“問題”とか“重さ”って、必要なものなのかもしれないって。
重力が地球を形づくるみたいに、重さがあるから、私たちは自分の場所を見つけられるのかもしれない。」
それを聞いていたMARSは少し考え込むように、窓の外に広がる漆黒の宇宙を見つめた。
そして、静かに言った。
「確かに、無重力だとどこにでも行ける。
でも、どこにも自分の居場所を作れない気がする。」
その言葉は、LUNAの胸の奥深くに触れるようだった。
視線を宇宙へ向けると、漂う星々が微かに瞬いているのが見えた。
どれだけ遠くにあるのか見当もつかない星たちが、それぞれ引き寄せ合いながらその場に存在している。
「重力ってさ、繋がりなのかもしれないね。」
私はぼそりと呟いた。
「私たちが重さを感じるのって、どこかで何かと繋がっているからじゃないかな。」
MARSはハッとした表情を見せたあとすぐに笑みを浮かべた。
「なるほど。その繋がりがないと、俺たちはただ漂うだけってわけか。」
その瞬間、私の心がふっと揺れた気がした。
それは小さな波紋のようなものだったけれど、確かにそこに何かがあるのを感じた。
長い間、ずっと触れられなかった感情の欠片が、少しだけ姿を見せたのかもしれない。
それは、感情というものにほんの少し触れようとした瞬間だったのかもしれない。
私は再び窓の外を見つめた。
そこには広大な宇宙が広がっている。
果てしなく続く闇の中に、無数の星々が輝いていた。
どれも一定の距離を保ちながら、孤独にも見えるその存在は、それでも互いに影響を与え合い、絶妙なバランスの中で存在している。
星たちは近づきすぎることも、遠ざかりすぎることもなく、その距離を守りながら光を放つ。
それは自分の中に重力があり、それを上手にコントロールして距離を保っているからなのだろう。
私の心に浮かぶ感情という星たちは、コントロールを失って私から遠ざかり、触れられることを避けてきた。
でも今、ほんの少しだけその星のひとつに手を伸ばした気がする。
それは完全には掴めないけれど、触れようとすることで初めてその存在を感じられるようになる。
「感情って、星みたいだね」と私はぽつりと言った。
MARSがこちらを見て、「またおかしなこと言い始めたぞ」というように、優しく笑った。
「どういう意味だ?」
「遠くにあると、手が届かない気がする。
でも、見つけることはできる。この星たちのようにね。
見つけたらその動きを確認する事も出来る。
そのうち触れられるかもしれないとも思える。
そして、触れることができたら、自分の中で輝きを取り戻すのかもしれない。」
幼い頃から現実を見たくないがために空想、妄想ばかりしてきたLUNA独特の例えだ。
MARSは「うんうん」と相槌を打ちながら無重力を楽しんでいる。
宇宙船は静かに進み続ける。
そんなMARSと私LUNA。
私の心の中にも、小さな星が光を放ち始めていた。
「重さ…重力を嫌わずに、自分を形作るものとして向き合ってみよう…」
そう感じた時、私の心に感情という重さが少し戻って来たように感じた。
それと同時に、自分の身体のコントロールが取れる感覚を覚えた。
私はまた窓の外を見つめた。
その広がりの中で、私はようやく、重力というものが必要な理由を理解し始めた気がした。
問題を無きものとして遠ざけるのではなく、自分を形作るものとして向き合う事で、自分の感情のコントロールが出来るのでは無いかと…思い始めた。

「アレキシサイミア(失感情症)」と呼ばれるものに近いかもしれません。
アレキシサイミアは「感情がない」のではなく、「自分の感情を認識したり、言葉にしたりすることができない」状態を指しているのかな?と私は理解しています。
物語の主人公も幼少期の辛い出来事や問題に対処しきれず、心を守るために感情を抑え込むようになったという背景を持っています。
このようにして感情を遠ざけると、一時的には楽に感じるかもしれません。
しかし、それが続くことで、自分が本当は何を感じているのか、どうしたいのかがわからなくなり、やがて「無重力」のような心の状態に陥ってしまうのです。
「無重力」という言葉を使ったのは、
自由で軽やかに思えるけれど、実は何にも繋がっておらず、どこにも居場所を感じられない不安定さを表現するためです。
主人公が「重力を失った心」に違和感や孤独感を覚えるのは、その繋がりの欠如を無意識に感じているからだと思います。
一方で、物語の中で語られる「重さ」は、心が抱える問題や感情そのものを比喩的に表しています。
重さは一見すると苦しく、負担のように感じられるものです。
それでも、その「重さ」があるからこそ、私たちは現実に足をつけて生きられるのだということを、この物語を通じて描きたかったのです。
たとえば、重力があるから地球が形作られるように、感情や困難もまた、私たち自身を形づくる重要な要素ではないかと考えています。
物語の終盤で、主人公が「心の奥が少しだけ揺れた気がした」と感じる場面があります。
この部分は、長い間抑え込んできた感情が、ふとしたきっかけで心に浮かび上がった瞬間です。
これは、彼女が過去の自分の痛みや孤独、あるいは繋がりへの渇望を少しずつ認識し始めた兆しだと解釈できます。
この「感情の欠片」は、痛みや悲しみであると同時に、希望の兆しでもあります。
心理学的に見ると、感情を抑えることは一時的な防御反応として役立つ場合もありますが、長期的には自分自身との繋がりを失い、孤独や空虚感を深めてしまうことがあります。
ただ、感情を再び意識し、受け入れていくことができれば、私たちは少しずつ自分自身を取り戻し、他者との繋がりを感じられるようになるのです。
この物語は、感情の「重さ」を避けるのではなく、受け入れることの重要性を描いたものです。
それによって、私たちがどう自分の輪郭を取り戻し、他者と絆を深めていけるのかを考えていただけたら嬉しいです。

心から応援しています。
I support you wholeheartedly.
#生きとし生けるものが幸せでありますように
#May all living things be happy!
それも…心の無重力。
この物語を書くきっかけは、最近「アレキシサイミア」という言葉を知ったことからです。
アレキシサイミア(失感情症)を調べてみると、自分や他人の感情を認識したり、表現したりすることが難しい心理的な特徴を指すということらしく、ギリシャ語の「a(否定)」「lexis(言葉)」「thymos(感情)」に由来し、直訳すると「感情を言葉にできない」という意味だそうです。
う…ん。
自分の感情を掴むことが出来ないっていうこと?
あ、なんとなくわかる!この感覚!
と思ったのです。
私自身、広い宇宙の中で無重力状態に浮かんでいるような感覚を抱くことがあって、それに近いものなんじゃないか?って…。
私なりの解釈を通じて感情を感じないってことを表現出来ないかな?と思ったのです。
そこでまた、創作物語を作ってみました。
末尾に心理学的な考察を加えています。

無重力の心【創作物語】
宇宙船の窓から、私は青白く輝く地球を見つめていた。私たちはこの宇宙船の乗組員、お互いを星の名前で呼び合う。
ここでは私は「LUNA」と呼ばれている。
隣には「MARS」が無重力の船内でぷかぷかと浮かんでいる。
「重力がないと、こうも自由になるんだな」とMARSがつぶやく。
私は、ふわふわと漂うMARSの体を見下ろしながら答える。
「そうだね。重さがないって、すごく楽。」
「そうね、重力が無いと楽…」その瞬間、胸の奥に言葉にできない感覚が広がった。
まるで、ずっと何かを抱えていたのに、それを失ったような不安定さ。
「でもさ、無重力って、私の心みたいだなって思うんだ」と私はつぶやいた。
MARSがこちらを振り返る。
「心?」
「うん。何かを感じてるはずなのに、それが何なのか、どこにあるのか、わからない。触れられないし、掴めない。心も、無重力の中にいるみたい。」
MARSは少し考え込んでから言った。
「それって、辛くないか?」
私は答えを探すように、言葉を選んだ。
「辛いのかどうかも、わからない。
昔からこうだったから、慣れてしまったんだと思う。
幼い頃、家ではいろんなことがあった。
でも、それにどう対処したらいいかわからなくて、気づいたら、何も感じなくなってた。」
「何も?」
「そう、何も。
悲しいとか、怖いとか、そういう感情をなかったことにしようとしてたのかもしれない。
そうすれば楽になると思ったんだと思う。
でも、それがずっと続いて、自分が何を感じてるのか、今では全然わからない。」
MARSは漆黒の宇宙が広がる窓の外を見つめた。
それで、重力の話か…。重さを感じなくなった心ってことだな。」
「うん。でもね、最近思うんだ。
もしかしたら、私たちが抱える“問題”とか“重さ”って、必要なものなのかもしれないって。
重力が地球を形づくるみたいに、重さがあるから、私たちは自分の場所を見つけられるのかもしれない。」
それを聞いていたMARSは少し考え込むように、窓の外に広がる漆黒の宇宙を見つめた。
そして、静かに言った。
「確かに、無重力だとどこにでも行ける。
でも、どこにも自分の居場所を作れない気がする。」
その言葉は、LUNAの胸の奥深くに触れるようだった。
視線を宇宙へ向けると、漂う星々が微かに瞬いているのが見えた。
どれだけ遠くにあるのか見当もつかない星たちが、それぞれ引き寄せ合いながらその場に存在している。
「重力ってさ、繋がりなのかもしれないね。」
私はぼそりと呟いた。
「私たちが重さを感じるのって、どこかで何かと繋がっているからじゃないかな。」
MARSはハッとした表情を見せたあとすぐに笑みを浮かべた。
「なるほど。その繋がりがないと、俺たちはただ漂うだけってわけか。」
その瞬間、私の心がふっと揺れた気がした。
それは小さな波紋のようなものだったけれど、確かにそこに何かがあるのを感じた。
長い間、ずっと触れられなかった感情の欠片が、少しだけ姿を見せたのかもしれない。
それは、感情というものにほんの少し触れようとした瞬間だったのかもしれない。
私は再び窓の外を見つめた。
そこには広大な宇宙が広がっている。
果てしなく続く闇の中に、無数の星々が輝いていた。
どれも一定の距離を保ちながら、孤独にも見えるその存在は、それでも互いに影響を与え合い、絶妙なバランスの中で存在している。
星たちは近づきすぎることも、遠ざかりすぎることもなく、その距離を守りながら光を放つ。
それは自分の中に重力があり、それを上手にコントロールして距離を保っているからなのだろう。
私の心に浮かぶ感情という星たちは、コントロールを失って私から遠ざかり、触れられることを避けてきた。
でも今、ほんの少しだけその星のひとつに手を伸ばした気がする。
それは完全には掴めないけれど、触れようとすることで初めてその存在を感じられるようになる。
「感情って、星みたいだね」と私はぽつりと言った。
MARSがこちらを見て、「またおかしなこと言い始めたぞ」というように、優しく笑った。
「どういう意味だ?」
「遠くにあると、手が届かない気がする。
でも、見つけることはできる。この星たちのようにね。
見つけたらその動きを確認する事も出来る。
そのうち触れられるかもしれないとも思える。
そして、触れることができたら、自分の中で輝きを取り戻すのかもしれない。」
幼い頃から現実を見たくないがために空想、妄想ばかりしてきたLUNA独特の例えだ。
MARSは「うんうん」と相槌を打ちながら無重力を楽しんでいる。
宇宙船は静かに進み続ける。
そんなMARSと私LUNA。
私の心の中にも、小さな星が光を放ち始めていた。
「重さ…重力を嫌わずに、自分を形作るものとして向き合ってみよう…」
そう感じた時、私の心に感情という重さが少し戻って来たように感じた。
それと同時に、自分の身体のコントロールが取れる感覚を覚えた。
私はまた窓の外を見つめた。
その広がりの中で、私はようやく、重力というものが必要な理由を理解し始めた気がした。
問題を無きものとして遠ざけるのではなく、自分を形作るものとして向き合う事で、自分の感情のコントロールが出来るのでは無いかと…思い始めた。

心理学的な考察
この物語で描いた「無重力」というテーマには、心が感情をつかめなくなった状態を象徴的に込めています。「アレキシサイミア(失感情症)」と呼ばれるものに近いかもしれません。
アレキシサイミアは「感情がない」のではなく、「自分の感情を認識したり、言葉にしたりすることができない」状態を指しているのかな?と私は理解しています。
物語の主人公も幼少期の辛い出来事や問題に対処しきれず、心を守るために感情を抑え込むようになったという背景を持っています。
このようにして感情を遠ざけると、一時的には楽に感じるかもしれません。
しかし、それが続くことで、自分が本当は何を感じているのか、どうしたいのかがわからなくなり、やがて「無重力」のような心の状態に陥ってしまうのです。
「無重力」という言葉を使ったのは、
自由で軽やかに思えるけれど、実は何にも繋がっておらず、どこにも居場所を感じられない不安定さを表現するためです。
主人公が「重力を失った心」に違和感や孤独感を覚えるのは、その繋がりの欠如を無意識に感じているからだと思います。
一方で、物語の中で語られる「重さ」は、心が抱える問題や感情そのものを比喩的に表しています。
重さは一見すると苦しく、負担のように感じられるものです。
それでも、その「重さ」があるからこそ、私たちは現実に足をつけて生きられるのだということを、この物語を通じて描きたかったのです。
たとえば、重力があるから地球が形作られるように、感情や困難もまた、私たち自身を形づくる重要な要素ではないかと考えています。
物語の終盤で、主人公が「心の奥が少しだけ揺れた気がした」と感じる場面があります。
この部分は、長い間抑え込んできた感情が、ふとしたきっかけで心に浮かび上がった瞬間です。
これは、彼女が過去の自分の痛みや孤独、あるいは繋がりへの渇望を少しずつ認識し始めた兆しだと解釈できます。
この「感情の欠片」は、痛みや悲しみであると同時に、希望の兆しでもあります。
心理学的に見ると、感情を抑えることは一時的な防御反応として役立つ場合もありますが、長期的には自分自身との繋がりを失い、孤独や空虚感を深めてしまうことがあります。
ただ、感情を再び意識し、受け入れていくことができれば、私たちは少しずつ自分自身を取り戻し、他者との繋がりを感じられるようになるのです。
この物語は、感情の「重さ」を避けるのではなく、受け入れることの重要性を描いたものです。
それによって、私たちがどう自分の輪郭を取り戻し、他者と絆を深めていけるのかを考えていただけたら嬉しいです。

心から応援しています。
I support you wholeheartedly.
#生きとし生けるものが幸せでありますように
#May all living things be happy!