成長する過程で、親の影響は私たちに深く根づきます。
時にはその影響が、自分で決める力を奪い、無意識のうちに心に「見えない鎖」を作ってしまうこともあります。今回は、私の経験を通して、この「見えない鎖」から抜け出すための考え方についてお話しします。

「親がいなければダメな子 」
私は小さいころから、母親に「あなたは私がいなければダメな子なんだから」と言われ続けてきました。私もその言葉を信じ、母をとても尊敬し、頼りにして成長してきました。母親は私にとって何でも知っている存在で、彼女の意見こそが正しいと信じていたのです。
でも、成長していく中で、次第に違和感を覚えるようになりました。
私はいつも、何かを決めるときに誰かの意見を聞かないと不安でしたし、決断した後でも「誰かにどう思われるだろう」と心配してばかりいました。
今思うと、その「誰か」は母親であり、母の許可がないと前に進めないという心理状態にあったのです。
小さな失敗が大きな不安に たとえば、幼い頃、一人でおやつを買いに行ったとき、うっかりお店のウィンドウを割ってしまったことがありました。
母が呼び出されて謝罪したとき、「だから一人で出て行っちゃダメって言ったでしょ」と叱られたのを、今でも覚えています。
この経験が、私の中で「一人で行動すると何か悪いことが起きる」「失敗すると母をがっかりさせてしまう」という不安を強めてしまったのです。
その後も、私が少し遅く帰ったとき、母が泣きながら私を迎えたことがありました。
こうした出来事の積み重ねで、私は「一人で何かをすることに自信が持てない」と感じるようになりました。
無意識のうちに、母の目を通して自分を見て、「自分は頼りない子」というイメージが心に刻まれていたのです。
心に残る「見えない鎖」に気づく
こうした「見えない鎖」は、親の言葉や態度が原因となって作られることがあります。親の意見や評価が絶対だと感じていると、無意識にそれに縛られてしまうのです。
親が常に子どもを守りたいと願っているからこそ、つい「あなたは私がいなければダメ」と言ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、その言葉が、成長してもなお「自分は頼りない」と思い続ける原因になってしまう事もあるのです。
「見えない鎖」から一歩ずつ抜け出すために では、この見えない鎖から抜け出すためにはどうすればよいのでしょうか?
まずは、自分がどのような言葉や出来事に影響されてきたかに気づくことが大切です。
「あのときの母の言葉が、今の自分の考えに影響しているのかもしれない」と気づけるだけで、少しずつ自分の考えと親の考えを切り離して考えられるようになります。
また、少しずつ自分で決める練習をすることも有効です。
たとえば、今日は一人で新しいカフェに行ってみる、あるいは、自分の意見で何か小さなことを決断してみるなど、小さなチャレンジから始めてみるのです。
そうすることで、「自分の力でできた」という実感が少しずつ積み重なり、心の鎖が緩んでいくかもしれません。
過去に自分はそうなんだと毎回毎回思い込ませてきたのと同じように、自分はそうでは無いのだと、毎回毎回自分に言い聞かせていくと言うことが大切になってくるんです。
親の言葉や行動が、私たちの心にどう影響を与え、どのように形作っているかを知ることは、とても興味深いこだと思います。
心理学は、心の仕組みや、なぜ私たちが特定の考え方や行動をしてしまうのかを解き明かす手助けをしてくれます。
今回お話しした「見えない鎖」に気づき、それをほどいていく過程もその一つです。
心の変化には時間がかかりますが、少しずつ気づきを増やし、行動に移していくことで、きっと自分自身を解放できる日が来るはずです。
心の奥にあるものに目を向け、自分の本当の気持ちや力に気づいていけるように、このブログが少しでも皆さんのヒントになれば嬉しいです。
余談なんですけど…
親からあなたはこういう子ですよと言うメッセージを受け取り、そのメッセージのままに、私は能力のない子なんだと思い続けてきたときには
自分に与えるものは、その自己価値に見合ったものしか与えられないんだなぁとつくづく感じます。
誰かがいないとダメな私は一人前ではないし、一人前ではない私は半人前のようなものしか与えられないよねと言うのが心のどこかで作用して、自分のために時間やお金を使うと言うことが後ろめたかった時代がありました。
そういうことも、親から(実は、親からではなく、自分がそう感じただけのことなんですけど)かけられた鎖だったのかもしれません。
今、私の親友と2人で、お互いに自分で自分に巻き付けた鎖を外していくと言うレッスンをしています。
普通にできる人には、当たり前のように普通にできることが鎖をかけられた体ではなかなかできなかったことたくさんあるので、それを1つずつ外していこうねと言い合いながら自分に豊かさを与えることをし続けているんです。
そんなことの連続の中で「自分に幸せと喜びを与えることに、なんだかしっくり馴染んできたよね」
って言いながら毎回子供のように笑い転げています。
長い間積み重ねていた心の癖は
その積み重ねた年月の何倍かの時間をかけて解いていくと言う位に考えながら、少しずつ少しずつ変えていけばいいのかなって思います。


私の次回の心理学講座は『自立と依存』についてお話をしていきます。
皆さんは頭では自立と依存を理解していらっしゃるかもわからないけれど、本当に自分のこととして落とし込めているかと言うと、ちょっとあやふやなところもあるのではないかなと思ったので、通常の講座にちょっと変化を加えて、皆さんが自分のことをより理解していただけるような構成にしています。詳しくはこちらをご覧ください。
三好成子のYouTubeサイトです。