大人になった私の中にある『もっとちゃんと愛して欲しかった』という思いを、抱いているのにその事に気がつかないと、親でもない目の前の人になんとかしてもらいたくなります。
◆異性で起きるどれほど愛してもらっても満足できない感情
異性の親への不満を、大人になって出来たパートナーに埋めてもらいたくなるという心理状態があります。そのことを本人が気づいていない時に問題として現れて、気づかそうとする…
そういう事例をたくさん伺って来たのです。
幼い頃、異性の親に不満があるとか、もっとちゃんと愛して欲しかったと思う気持ちがあったにもかかわらず、大人の理性で『言っても仕方ないし』とココロに折り合いをつけながら前を向いて歩いてきたとしましょう。
こういうタイプの方は、とっても理性的で頑張り屋さんで、心が早めに自立していたり、周りからは頼られたりして、とっても大人な印象の人が多い様に思います。
こういうタイプの方がパートナーシップを持たれて、ココロを開く事が出来始めると、自分でもコントロールできない様な怒りや寂しさ、物足りなさを感じてしまう事があります。
「そうじゃない!」という感情。
こういう愛され方じゃない!って思ってしまうんです。
目の前のパートナーにどれほど愛してもらっても満足できない気持ちになって、お互いにどうして良いかわからなくなってしまう感じです。
◆同性でも起きる「今じゃない感情」
異性の親への満たされない感情はパートナーシップで出やすく、問題も大きくなって相談に行き着くことも多いので、「この感情は目の前のパートナー本人への感情ではない」事に気がつくチャンスもあります。
これが同性でそれも職場での問題となると、今感じている不満が子供の頃の親に満たしてもらっていなかった欲求が出てきているんだなんて思ってもみないんです。
上司に対して親を映し出しているなんて想像もできないと思います。
上司への「どうして〇〇してくれないの?」 「もっとちゃんと部下である私を面倒みなさいよ!」という怒りを感じたとしましょう。
なんとなくその時は上司への正当な不満に感じているのですが、なんだか押さえ切れないほどにやりきれなさが浮き上がってくる時は『私の面倒をみる立場の人間のくせに、その役目を果たしていないじゃないか!』という気持ちがあるのかもしれません。
私は面倒を見られる立場の人、あの人は私をしっかり育て上げる立場の人。
「それなのに何?このざまは!」と、怒っているとしたら…
上司はそこまであなたのお世話をするべき人でしょうか?
もちろん、上司である以上指導責任はあると思います。
それでも、職場においては大人同士の関係の中で、上司が未熟であるということもあるでしょう。
その時は、大人の自分として上司を見ることができると、煮えたぎるような怒りとはならないように思います。
なんだか、すごく弱い自分、守られるべき弱い立場であるにもかかわらず、あいつはその保護を怠ったという怒りになっていることはありませんか?
「もっとちゃんと愛しなさいよ。」という欲求が沸いて、必要以上の不満になってしまう事もあります。
これは、満たされなかった 、もっと愛して面倒みて欲しかった幼い頃の私が、あの頃の親に向かった感情の可能性が大きいのです。
ですので、上司と部下の関係性以上に面倒を見て欲しくなったり、怒りになったりします。
◆「これはこの人に対する感情じゃないかも?」を気付く
理性では分かろうとしたり、相手もじゅうぶんやってくれていると思っても、瞬間的に抑えきれない辛い感情が上がってきて、大切なパートナーや 仕事のやりにくさ、生活に支障をきたしてしまう事があるという事はわかりました。
「じゃあ、どうしたらいいって言うんですか!?」という疑問が上がってきますよね?
過去は取り戻せないし、今でもちゃんと愛してくれる様な親じゃ無いし…」
どうやってこの気持ちを抑えたら…というか、消してもらえませんか?
抑えられないんです!過去に愛されなかったという記憶を根こそぎ消しさってもらえませんか?催眠術でも何でもいいです。要りません!こんな感情」
本当にね。消すことができたらどれほど楽なんでしょうね。
意識的に無かったことにしようとはできても無意識の中の記憶まで消し去る事は出来そうにありませんね。
こうやって、何かの拍子に過去の感情が上がってきて、代替えのように相手を見つけては思い出させる無意識という厄介な感情。
私たちの感情を消化(昇華?)させるためには、記憶を消すのではなくて、あの時のあの感情なのだな…と気付いてあげる事が大事なんです。
そこから、大人になった私が出来ることは、あの時じゅうぶんに愛せなかった状況を理解することなんですね。
それがまだしんどいなって思うのであれば、大人になったあなたが、幼い私を抱きしめて愛してあげる事もできます。
「寂しかったね」
「辛かったね」
「よく我慢してたね」
一番の理解者であるあなたが、幼いあなたを愛してあげて欲しいと思います。

◆目の前の関係を楽にするために
どうしても満たされない感情は残ると思いますが、その感情を目の前のこの人で満たそうとしているんだな。という事を知る事が何よりも大事です。イライラするけど
何だか足りない気もするけど
この人なりに愛そうとしてくれている部分もちゃんと理解することで「自分の中にあるコントロールできない気持ちをこの人に八つ当たりしそうになっているのかも?」という考えがうかぶ事で、今の関係を壊さなくても済むかも知れません。
そして、逆に「この人が私の満たされない感情を埋めてくれるかも知れない」 という見方が出来ると、子供の頃欲しかった、あの時と同じ物を求めなくても、この人が与えようとしてくれているものが見えて来て、新しい満たされ方の気づきにもあると思います。

満たされない思いが強すぎると、自分の望むやり方で、望む様に愛されないと愛された気にならないという事が起きる様です。
子供の頃にしがみついている感覚ですね。
「そうか、そうか」と、子供の私を抱きしめて愛してあげるくらいの大人になったことに気がついていけるだけでも満たされ無さは減っているのかもしれませんね。


