閉じこもった子供が決死の思いで壁の外に出て来ようとしている時に、ついつい親がやってしまう事があります。

◆間違えてはならぬ！喜んではならぬ！
 

子供が意を決して
自分が作った壁、塀から出てくることがあります。


親は
このチャンスに　失敗してはいけないと思い、細心の注意を払います。

何か気に障ることを言って
また、閉じこもられたらどうしようとか


ものすごく、びくびく・ぴりぴりしてしまうのです。
俗にいう腫れ物に触るような扱い方をしてしまうことが多く、これは子供にすぐに伝わります。



「親はもっと堂々としていて欲しかった」と、いらだった思春期を越えてきた人は言います。


もう一つには
親側があまりにも嬉しすぎて、テンションが上がりすぎるとか、このチャンスになんとか説得しようと
親側の囲いの中にいれてしまう・・・という状態にしてしまうこともあるようなのです。


それもこれも
子どもが自分の見える範囲に出てきてくれたという喜びがあると思うのです。
また、コントロールできる、親の思うように、親の気にいるように動いてくれるという期待が
見え隠れします。


それも
子どもはすぐに察知します。
この瞬間が一番しんどいのだと私は感じていました。


それは
間違ってはいけない
失敗してはいけない
と思う心が　しんどくさせていると思います。


子どもが壁の向こうから出てきてくれた。
そして、もう壁の向こうへは行かないでほしい。


そのために、親は何でもしようとするのでしょうね。
私もそうでしたから。


ここで
子どものご機嫌取りや言い訳のようなこともしてしまうことがありました。


そうなると
そのすべての親の行動が子どもにとっては罪悪感であり
今まで以上のプレッシャーにもなり、息苦しくて仕方がなくなってしまうようです。


なぜなら
親の意識が子どもを見ているようで、自分しか見ていないのです。


子どもの感情次第で親の気持ちは動くし、子どもは自分の動きを逐一監視されているようにも思います。


早い話
うっとおしいのですね。


立場が変わればなんとなくでもわかりますよね。
うっとおしいからまた、壁の向こうに閉じこもることもあるでしょう。


そうすると
親はものすごく自分を責めて、反省して、なにがいけなかったのかとか、誰かのせいだ！とか
ものすごくがっくりします。
もう二度とチャンスがないかのように愕然とします。


子供も同じような感情になるかもしれません。
もっと強い諦めの感情かもしれません。



子どもは閉じ込めた心の壁の中から出ていっても、そこにある自分の場所が楽な気持ちになれるのなら、何度でもチャレンジして、壁を越えようと出ていくものだと思います。
だって、本当は閉じこもった世界から出て行きたいのですからね。


なので
親は、この窒息しそうな空気を変えることを第一目標にすると良いのですよね。

◆天の岩戸の物語

天岩戸のおお話しはご存じでしょうか？

日本神話の一つで、
太陽神である天照大神が弟の粗暴な行動に怒って岩谷の奥に隠れてしまい、岩戸を閉めてしまったために、世の中が真っ暗になり、その岩戸をあけるためにどうしたものかと考えて何をしても開かない。
そこで、外で歌ったり、踊ったり楽しそうにしていると、何があったんだろうと　扉を開けた・・・
という（すごくざっくりした説明でした）お話ですが


これと同じように、親が楽しそうにしていればいいと思うのです。
自分のことで悩んで暗く、ぎすぎす、ぴりぴりしている親よりも、「どういうあなたでも大丈夫だよ
そんな君でも大好きだよ」というオーラを出しながら楽しそうにしているといいと思います。



最初はなかなかできません。
私も出来ませんでした。


苦しそうな子供を差し置いて、自分たちが楽しめるわけはない…と。


でも、違うんです。
親が苦しそうにしていると、子どもも、自分だけが幸せになれないと思っているかもしれないのです。


本当にね…やってみてください。
騙されたと思ってもらってもいいので一度チャレンジしてみてください。
怖いですけどね。
バンジージャンプ飛ぶくらいに怖いですけどやってみる価値はあると私は思っています。