大人になるって、こういうこと?
──“親も完璧じゃない”に気づいたとき
中学生のころ、話題になったノストラダムスの大予言。
1999年7月に世界が滅びる――そんな大胆な予言に、思春期の私は妙な納得をしていました。
1959年生まれの私が1999年には40歳。
当時の私にとって“40歳”は、「もう、ほぼ人生終わってますやん」という年齢だったのです。
だから、「まぁ、ええか」と思っていました。
なんとなく、もう十分生きたような気がしていたんですね。
けれど、実際にその“終末の年”を迎えてみると、私はこう思ったのです。
「人生、今からですやん!」
40歳からが始まり。
それまでの39年は“準備運動”だったんだなと、そう感じました。
もちろん、悪魔の大王は降りてこず、世界も滅びませんでした。
気がつけばそれからまた16年が経ち、私は56歳に。
……なんか、もっと達観してると思ってました。
「善きに計らえ」くらい言いそうな、ほぼ“仙人”に近づいていると思ってました。
でも、現実は違いました。
悩みもあるし、迷うこともたくさんある。
そういう意味では、「まだまだ伸びしろがある」と言えるのかもしれません。
■ 中学生の頃、思っていた“大人”像
私は昔、「50代=完璧な大人」だと思っていました。
親は、悩まない。間違わない。テンパらない。
そんなふうに思っていたのだと思います。
だから、親がちょっとした失敗をしただけで、
「親のくせに!」と、腹を立てたこともあります。
でも今、私はその「親の年齢」を、とうに超えました。
ようやくわかったんです。
親も人間なんだな、と。
■ 心理学の視点:「親のイメージ」は、自分の内側から作られる
心理学では、「親イメージ」という言葉があります。
子どもは親を「こうあるべき存在」として無意識に理想化する傾向があります。
それが裏切られたとき、子どもは怒りや失望を感じるのです。
この怒りは、「あなたには、ちゃんとしていてほしかった」という願いの裏返しです。
そして、この願いが叶わなかった痛みが、やがて大人になったとき
「親もいっぱいいっぱいだったのかもしれない」と理解される瞬間が来る。
心理的な成長とは、こうした「親の再定義」の連続とも言えます。
■ わからなくても、いい。いつかわかるから
大人になると、ようやく親の未熟さや弱さに気づけます。
でも、それを子どものときに理解する必要はないとも思います。
わからないからこそ、反抗できるし、叫べるし、傷つけもする。
それでいい。
大人になってから、「あのときはごめんね」と小さく反省できたら、それで十分。
そして、たとえどんなに悪態をついても──
親は子どもを、愛している。
その一点さえ、いつかわかれば、それでいい。
完璧じゃないままでも、誰かを愛せる。
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