『アハ体験』と心の変化
ずいぶん前に「アハ!体験」という言葉が話題になったことを覚えておられるでしょうか?画面の一部が少しずつ変化していくのを見ながら、どこが変わったのかを見つけるという、いわば“脳トレ”的なお遊びでした。
私自身、あの体験を通じて、
「ゆっくりと変わっていくものって、本当に気づきにくいんだな」と、つくづく感じたのを覚えています。
それは、私たち自身の“こころの変化”にも、どこか似ている気がするのです。
努力しているのに、何も変わっていない気がするとき
日々、自分なりに努力を続けていても、目に見える成果が出ないと「私、何も変わっていないのでは…」と、心が折れそうになることがあります。
問題の渦中にいると、自分が変わってきているかどうかを、客観的に見ることが難しくなります。
でも、もしも「以前の自分」と「今の自分」とを、あの“アハ体験”の画像のように並べて見比べることができたなら…
「ああ、こんなにも変わっていたんだ」と、驚きの声をあげてしまうかもしれません。
あれから10年…今日という日に思い出すこと
私がカウンセラーとして登録したのは、2015年7月1日。今日でちょうど、10年が経ちました。
この年は、息子が一人暮らしを始めたり、娘が長い引きこもり期間を経て働き始めた年でもあり、家族にとっても大きな節目の年でした。
別れと旅立ちと、始まりと
2015年8月、ミニチュアダックスのチロルが星になりました。
息子は一人暮らしを始め、娘は研修先の岡山へ新幹線で向かい始めました。
家族のかたちが大きく変わった夏。いろんな思いが重なった季節でした。
今、この記事を改めて書いています
今回の「アハ体験」の記事は、私がカウンセラーとしてデビューした当時に書いたものを、10年の時を経てリライトしたものです。あの日の不安、迷い、そして小さな希望。
今の私は、それらすべてを抱きしめながら、もう一度この文章を綴っています。
変化は、気づかないうちに
びっくりするくらい、私たちは変わりました。すべてが解決したわけではありません。
でも、あの頃には考えられなかった今を、私は生きています。
変化は“気づかないうちに”起きていて、ある時ふと「あれ? 変わってる」と気づくのです。
まさにそれが、心のアハ体験なのかもしれません。
私自身も、はじめは相談する側でした
今でこそ、こうしてカウンセラーとしてお話をさせていただいている私ですが、最初からカウンセラーを目指して心理学を学び始めたわけではありません。むしろ、最初は「相談する側」だったのです。
もう、どうしていいのかわからなくなって、電話カウンセリングを受けることにしたのが始まりでした。
過去の私は、自分を責め、逃げていた
当時の私は、離婚して15年ほどが経っていた頃でした。子どもたちは思春期を迎え、少しずつ心を閉ざすようになっていました。
私はといえば
「何かをしていなければ、自分には価値がない」と思い込み、一日のほとんどを仕事に費やしていました。
一時はお酒やたばこに逃げ、自暴自棄な生活を送ったこともあります。(今は禁煙に成功しております
)異性関係でふらついていた時期もありました。
そのことに対する罪悪感が強すぎて、子どもたちに責められるのではないかと怯え、正面から向き合うことを避けていたのです。
仕事に没頭することで、子どもと距離を取る理由ができる…
そんな「逃げ場所」にしていたのだと思います。
威圧的になっていたのは、怖さの裏返しでした
自分自身をずっと責めていた私は、きっと子どもたちも私を責めているに違いないと思い込んでいました。だから、子どもと目を合わせて話すことすらできず、話しかけられるとビクッとしてしまう…
そしてその怖さをごまかすように、つい威圧的な口調で返してしまう…
それは「怒り」ではなく、「反論されること」「責められること」への強い恐れからでした。
中でも特に怖かったのは、こんな言葉です。
- 「あの時、お母さんが〇〇したから私はこうなった」
- 「あの時、おかんが〇〇してくれなかったから俺は……」
なぜなら「あの時」は過去であり、どうやったって取り返しがつかないから…,
現実にどうしようもないことを、なんとかしなければならないと感じてしまい、その無力さが恐怖となってのしかかっていたのだと思います。
罪悪感に支配されていた私
私は自分を「最低な母親」と決めつけていました。そんな私のもとで育った子どもたちも中学生になり、思春期という難しい時期に差しかかっていました。
当然、私のことをどう感じていたか……
いら立ちを感じていたでしょうし、
もしかすると、私と同じように「自分が悪い」と感じていたかもしれません。
そんな姿を見て
「私は子どもたちに安住の場すら与えられなかった」
という深い罪悪感に包まれました。
取り返しのつかないことをした、という思いに苛まれ、悔やんでも悔やみきれず、申し訳なさでいっぱいでした。
そこから、カウンセリングとの出会いへ
どうしていいかわからず絶望の中で出会ったのが、カウンセリングサービスのホームページでした。「初回無料の電話カウンセリング」があると知り、藁にもすがる思いで電話をかけたのです。
それが、私にとっての心理学との最初の出会いでした。
私の『アハ体験』は、絶望の中から始まりました
私の変化は、こうした「八方ふさがり」の状態から始まりました。このままでは、子どもたちの笑顔を二度と見られないかもしれない。
そう思い詰めていた私は、
- 「私は許されるわけがない」
- 「すべての責任は私にある」
- 「だから罰を受けなければならない」
だからこそ、
「子どもが幸せにならない限り、私も幸せになってはいけない」
と心から思っていました。
でも、そこから変わっていきました
そんな状態だった私が、少しずつ変わっていきました。それは劇的な変化ではなく“アハ体験”の画像のようにじわじわとした変化でした。
だからこそ、どこが変わり始めたのか?
何がきっかけだったのか?
そのことについて、次回、もう少し詳しくお話したいと思います。

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